「G+P−RPG 百科辞典」
G+P−RPG 百科辞典
増えるとページが分かれると思いますが、それまではここで。
(あ)
●暗黒
属性のひとつ、邪気や闇を含みこれに近しいものをさす用語。
ほぼ同義語の“闇”“邪”よりは、オフィシャルかつより中立的なイメージを持ち使われる。
この属性の魔法は、邪気や闇をエネルギー源として利用しているが、そのこと自体は邪悪なことではない。邪気は生き物のいる所、闇は光のある所、当然のように発生するものであるし、邪気をエネルギーに変換し消滅させることはすなわち浄化につながるのであるから。
ただし、邪気を発生させる際に、他者に非道を行う術者もいないわけではない。そしてその代表格はもちろん大魔王ドノン。このことにより、暗黒属性へのイメージは一般的にはよいものとはいえない。ただし一部ではミーハー的な憧れを集めてもいるようである。
→負のイメージ も参照
●暗黒時代
大魔王ドノンがエトランド大陸を支配した十数年間。
この間彼の暴政により大いに大陸は荒れた。そのため暗黒時代と称される。
ドノンの目的は“邪神”の作成であり、その素材はいわゆる負のチカラであった。そのため、それを大量に調達するためのプラントとして大陸を利用したというのが彼の暴挙の真相である。
しかし野望は実ることなく、彼は大陸の怒れる住民の――その意志を集めた“三勇者”の手により倒される。
“邪神”はかたく封印され、大陸を覆った邪気も“聖神”によって払拭され、この時代は完全に終結した。
●エトランド
ある大陸の名前。
ここは100年ほどの間に二度の大厄災に見舞われ、しかし二度とも前以上の繁栄をつかんだ、奇跡の大陸といわれている。
(一度目は大魔王ドノンによる暗黒時代、二度めは邪神勢によるエトランド戦役)
この二度とも、解決の立役者として『勇者』と名乗る若者が立っている。
このふたりの若者は(転生した)同一人物であるという。
●エトランド戦役
邪神の信徒がその復活をたくらみ、起こした動乱。
その範囲はエトランド大陸のほぼ全域にわたるためこう呼ばれる。
邪神の信徒らは、半覚醒状態にある邪神の力を利用。大陸最大の国家プレアディス帝国を操り周辺各国を侵略、わずか数年で大陸のほぼ全域を支配下においた。
しかし、グラスター国占領と同時期に蜂起したレジスタンス(『勇者軍』)により、その後わずか数ヵ月でその野望はついえた。
なお邪神の信徒の首魁は2名。その一方、暗黒将軍サラディンは勇者に討たれ死亡。もう一方である大魔王シェラスは行方不明となっている(魔界に帰ったらしい)。
●『皇女軍』(外典)
皇女アイリンを旗印としたグラスターの王党派レジスタンス。
いわば、『勇者軍』のパラレルにあたる存在。
このすぎるほどわかりやすいネーミングの主はアイリンそのひとのようである。彼女はどうやら、自らの軍に対し特別にひねった名づけをしなかったようだ。
しかし、彼女の祖父の転生である若者も自らの軍を『勇者軍』と名づけている(デフォルト設定)ところから、このセンスはもしかすると遺伝なのかもしれない。
(わかりやすさで押す戦略とも考えられる)
(か)
●神とはなにか
広く神といわれる七大神と邪神について言えば、間違いなく神は知的生命体である。
様々なレベルの情報処理機構(思考)をもち、それを役割の遂行のために操る。祈りや対応するエレメントのチカラを糧にし、活動する。
その本質は、他の生命体と同様に、一種のエネルギー変換機構である。
たとえば、聖神は正のチカラを集積・増幅・放射するために生み出され、その役割を果たしている。
●神の作成
この世界においては、ヒトの手によって神が作れるということが明らかである。
大魔王ドノンは邪神を、聖アガタイは聖神を作り上げている。
ただし、もちろんこれはたやすいことではない。
邪神の作成が可能になったのは、ドノンの類まれな資質と、悪事は加速させるのがたやすい→負のチカラは調達しやすかった、という事実によるといえる。
そして聖神はいわばそんな“邪神の影”であるがゆえに、作り上げることができたともいえる。(おそらく、邪神作成のさい大陸にあった負の想いがほぼすべて邪神に集積されたため、逆に世界には正の想いばかりが大量に残されていたはずである。それを一気に集め、増幅させることで聖神は作られたのであろう)
しかしとにかく、ヒトの手で神が作りあげられたのは事実であり、おそらくこの先、この世界には再び、あらたな神が作られる日が来ると予測される。
●神のなりたち
邪神と聖神は、いうなれば精神とおなじ素材で構成されたエネルギー変換機構であるが、それを自力で運営するために構成と知性を与えられた存在、といえる。
四大神は、聖神の手による自らのレプリカといえるので、その点では同じである。
古三神は自然発生的なものといわれているが、その誕生にこうした“人為”があったかは定かでない。
●元老院
→魔界元老院
●光輪
天使の頭上にはかならず光の輪が輝いている。これは光輪といわれる。
これは普通は天使にしかないものであり、かれらはこれを誇りにしている。
“天帝”の加護で輝くこれは、その大きさと輝かしさが加護の強さ=天使としてのランクの指標ともなるほか、戦闘時には武器として投げて使用することもできる(=それだけの密度と堅牢さがある)らしい。
●古三神
邪神以前より存在していた、三柱の神。すなわち『三日月の女神』『法理神』『自由神』のこと。
かれらは世界そのものを形作る法則に深くかかわりがある。人間視点では、アラインメントをつかさどる神々。
●古代高等竜人族
今では竜仙境とよばれる世界に、かつて住んでいた種族(のひとつ)。
高い知力、魔法の発動に有利な世界環境と言語、獣型への変化により強大な力を得られる肉体等、いくつもの条件に恵まれ、きわめて高度な文明を発達させた。
しかし、さまざまな要因からいつしか世界を包んでいた大規模な紛争と、そこで乱用された強力すぎる魔法(竜言語魔法)により、滅亡寸前に陥ってしまう。
争いをやめた(というか、争いの続行がもはや不可能になってしまった)人々は、この惨事をふたたび繰り返さぬため、竜言語魔法の発動が困難である隣の異世界――人間界へと移住した。
さらにこのとき、あやまってふたたび竜言語魔法をとなえることのないように、恒久的に獣型に姿をかえている。このことで古代高等竜“人”族は失われた。
・種族としての古代高等竜人族
かれらは生物学的には、現在人間界に暮らす竜族(ドラゴンやワイバーン)と同じである。
ただし竜族は、竜神によりヒトガタの姿になる能力を封印されており、変身を果たすものは非常にまれ。
そして、古代高等竜人族と竜族では“すんでいた世界がことなる”。
そのため、事実上ふたつは別の種族として語られる。
歴史の波間にうしなわれた、そして高い文明を誇った種族ということで、竜仙境にいた当時の竜族が特に古代高等竜人族と呼ばれるのである。
・古代高等竜人族とカルア領主家
移住当時は、地元民(人間)とのコミュニケーションのため、あえてヒトガタを保っていたものもいた。
彼らのうち数名は、受け入れ先であるカルア島の住民と結婚した。
その末裔が、現在のカルア島領主家とそれに連なる一門である…といわれている。
・古代高等竜人族、もしくはその魔法の特殊な能力の発祥について
かれらは『感情のエネルギーをそのまま魔法(竜言語魔法)のチカラに転化する』特殊な能力を備えていた、といわれる。
逆に、『これは「竜言語魔法が感情のエネルギーを主たる“燃料”」とするので、結果的にそうであると見えるというだけのことだ』との意見もある。
いずれにせよ、古代高等竜人族と、かれらの魔法の特殊な能力のどちらが先に発生したものかという議論は、いまだ“鶏タマゴ”の域を出ない。
歴史資料もほとんど焼失し、住民のほとんども自らのアイデンティティを捨てた今、この謎を解明するにはみずから竜仙境に赴き、竜神、もしくは彼(彼女?)を守護する竜神官と言葉を交わさねばならないが、それが行なわれたという記録は現在のところない。
竜神は現在、基本的に自らの領域を外部に対し閉ざしているのがその大きな原因であるといえよう。
ただしエトランド戦役中に、竜神がひとりの竜騎士を竜仙境に招き、チカラを授けたとの記録もあるため、その日はすでに間近であるのかもしれない。
(さ)
●三神器
暗黒時代終期に、三勇者が手に入れた三つの神器のこと。
(アムラスは聖剣ユルムグンド、サイバーは聖典アーカーシャ、ポトウィンは聖杯コルダーヌを手にした)
彼らはすべて人語を操り、人格を持つ。
一説には、彼らは自らの強力さゆえに心を閉ざし、事実上のがらくたとなっていたという。しかし勇者たちの説得により生まれてはじめて心を開き、真の力を発揮した。
暗黒時代終結後は、それぞれの理由からそれぞれの方法で国内に秘されることとなったが、エトランド戦役に際し、再び歴史に姿をあらわし、再び大陸を救った。
●三勇者
大魔王ドノンを倒し、邪神を封印し、暗黒時代を終わりに導いた三人の勇者、アムラス、サイバー、ポトウィンのこと。
彼らはそれぞれが神器をもって戦ったため、その神器の名を冠して(例、聖剣の勇者、など)呼ばれることもある。
また、荒れた故郷の地を復興させるため、国を築き王となった建国の王でもある。
かれらのうち、“聖剣の勇者”アムラスは死後現世に転生し、自らの手でエトランド戦役を終結させている。
●色彩
エトランド大陸の住人は、ほぼ例外なく属性を有し、身体にその証が現れる。
髪か瞳、もしくはその両方がいわゆる『属性色』となるのである。
よくあるところでは、炎の赤毛、水の碧眼、風の金髪、大地の黒瞳であるが、ほかにも多くのバリエーションがある。
実りの稲穂の金の髪(大地…地の皇女イシュタルがこれ)、遠き深淵の黒髪(水…水の皇女アイリン)、焙煎珈琲の黒髪(炎…アレス)、凍てつく氷河の銀(水…クラウス皇太子)など。
また髪の金色の表れ具合にもバリエーションがあり、ガジェスのようにほとんど銀髪に近いものから、ビックのようにブラウンといっていいものまである。
こうした特徴は、人間界と隣り合う天界、魔界の住人にもあらわれることが多いようである(水属性のメールは碧眼、炎属性のシェラスは黒髪)。
●四大
・火、水、風、土の4エレメントのこと
・4エレメントを司る精霊や精霊王
・七大神のうち、4エレメントに関連の深い“天帝”“大地母神”“炎戦神”“智流神”の4柱
以上いずれかの意味で使われる用語。
●邪
属性をさす用語としては、暗黒と同義。
ただしこちらには、強い負のイメージと対象に対する蔑視がこめられている。
→暗黒、負のイメージ も参照
●邪神
大魔王ドノンが“負のチカラ”や“負の想い”によって作りあげた生物(霊的存在)。
すべての事物・事象を“悪意”をもって歪めむさぼり食らうことを望む。
三勇者により封印され、サラディンとシェラスにより開封・覚醒させられ、勇者によって倒された。
忌まわしいことに、苦痛や恐怖やそれらから生じる“負のチカラ”は邪神にとっての何よりの糧となる。
そのため、もし完全に覚醒し自由を得たならば、ドノンの暗黒時代にまさるとも劣らぬ、恐怖の時代をこの世に実現させたはずである。
邪神の心身に息づく邪の力は極めて大きく、一度吐息を浴びただけでもその“恩恵”にあずかる事ができるものの、常人ならば長くて数日の間に発狂、死亡するらしい。
以上の特徴から想像されるのは、ただひたすらに周囲を食らい尽くしていく生きた消化液のような姿だが、実際の邪神の姿はそれとはかけ離れている。
邪神の容姿はまがまがしいながらも極めて美しく、かつ人間と同等の美的感覚をも有するらしい。
性向は極めて貪欲だが、けして愚直ではなく、豊富な知識に基づくきわめて高い知能をもって、冷徹に効率的に邪悪を実現しようとするらしい。
●邪神の信徒
信徒と呼ばれているものの、実のところ彼らのスタンスは様々であり、必ずしも邪神を崇拝しているとは限らない。
(現に彼らの首魁2名は道具としか思っていなかった)
邪神復活を目標に活動していることが共通点であり、そのために信徒と総称されているが、実態は悪事を行うための武装組織メンバーにすぎない。
彼らのほとんどは地下に潜っていたものの、信仰心が根底にあるわけではなかったため、エトランド戦役の終局に“信徒”であるメリットが消えるとともに、そのまま埋もれたらしい。
●邪神のチカラ
邪神の心身に息づく“力”の影響力は極めて大きく、一度吐息を浴びただけでもその“恩恵”にあずかる事ができる(過ぎるほど強靭な肉体と膨大な魔力を得る。これは恐らく『感染の法則』に基づき、ある意味邪神の一部となるためと思われる)。
しかしながら、それは宿主を速やかに蝕み、常人ならば長くて数日の間に発狂、そして死亡してしまう。
●ジャポネス
エトランドのはるか東、極東といわれる海域に浮かぶ島。
西の大陸よりは交流があり、文化のいくばくかがすでにエトランドに根づいている。
東方剣術や忍術、それらを行使する戦士たちはもともとこの地の産。
なおこの地の住民のほとんど全てが、黒髪と黒い瞳を有する原因は不詳。
地域の狭さと遺伝的な要因の相乗効果によるものと思われる。
●聖神
暗黒時代の邪気を払拭するため、聖アガタイが生み出した霊的存在。
ドノンが邪神を作ったときとは正反対に、大陸中の“正のチカラ”を結集したため、善意で全てをよき方へと育むことを望む。
(ただし純粋な邪である邪神については、さしもの聖神も更正を望めず、浄化・転成後に望みをかけて勇者たちに助力し、滅ぼさせている。)
誕生後、四大精霊王と結んで新たな神(四大神)を生み出し、彼らに人の世を各側面から護らせるようにした。
なおこの神は、一説によると創世の神と同一の存在であるが、実際のところは不明。
●精霊
精霊界の住人。基本的には、身体が自属性のエレメンタルのチカラだけで構成されており、それが最大の特徴。
精霊王以外の“ふつうの”精霊は、精霊王の分身といっていい存在なので、ほぼ当然にチカラもより弱い。
かれらの肉体と精神の構造にはさまざまなバリエーションがあり、ヒトなど人間界の生物に近いものから、ほとんど火土風水そのものに近いものまである。
人間と一方的でないコミュニケーションができるのは、人間界という異界のありように通じる――つまりこちらでの精霊魔法使いにあたる、一握りの者たちである。
しかしその数は、聖神の影響によりだいぶ増加している。
●精霊王
各精霊界の住人のなかで、もっとも強力なもの。
その影響力は非常に大きく、もはや精霊界そのものの柱といっていい。
もともと彼らからこぼれおちるようにして、彼ら以外の“一般の”精霊が生まれた。
原初の精霊であった精霊王は、彼らの後に生まれた知的生命体――人類の発達を見つめてきたため、人間と同形式の思考・言語を操ることができる(思考や言語すら彼らが与えたものという説もある)。
ときに人間界の有力者と交渉を持つこともある。
最近の例ではグラスターの“御四家”設立のさい、アムラスの四子女それぞれと、対応する属性の精霊王が契約を結んでいる。
●精霊界
物質界のひとつ。とはいっても四大それぞれの世界があり、互いに独立している。
どれも、世界の柱というべき強力な存在『精霊王』に統べられている。
人間界とは世界や住民自身の構成が異なり、人間界から遠い領域では、いわゆる言語によるコミュニケーションすら行われなくなる。
人間(の善意)の神である聖神の影響により、人間界に近い場所ができているが、これはほんの一握りである。
●世界神
古三神のこと、もしくは四大神のこと、もしくは“法理神”の別名。
世界の枠組みを支える側面に着目しての用語だが、どちらかというと物理的なそれの意味あいが強いようである。
●属性
現在この世界においては、すべてのものは属性を有する。
(注:無属性も属性扱い。無属性のものは属性以前の時代の遺物か、人工的に調整された結果のもので、かなりレアである。)
この世界やそこにあるものは、四大エレメント(火土風水)の相互作用により生じたものであるが、発生の瞬間や発生後にも、さまざまな形でエレメントの影響を蓄積していく。
生命体の場合は原則的に、もっとも多く蓄積されたひとつがその者の“属性”となる。
属性は、端的には魔法を使うときの有利不利を決める。すなわち同じ呪文を行使しても、同属性のものはより強力に発現し、反属性のものはその逆になる。
ただし、これらが強い影響を持つようになったのはわりと近代のことである。
(四大神の発生後、彼らが信仰されるようになってから、彼らの加護によりほぼすべての人間がはっきりとした属性を持つようになった。それ以前はエレメントの精霊に愛された一握りの者たちが属性を帯びているに過ぎなかった)
●属性が付与される原因(生命体)
生命体に属性を与えるのは、神や精霊への信仰だけではない。
・出生時の環境…生死にかかわる出来事(フェイタルイベント)やそれにかかわることどもは、生存本能のはたらきにより、生命体に強く記憶される。このため出生時の属性分布は、出生というフェイタルイベントを経ている個体に、強烈に刻み込まれる(そしてこのため、結局は生まれた時期に対応する属性の神を守護神に選ぶことが多くなる)。
・出自…各エレメントの精霊は当然そのエレメントを有する。天界で生を受けた天使はすべて聖属性を有する(堕天したとしてもそれはある程度体に残り続ける)。これらもある意味では出生時の環境といえなくもない。
・契約…出自の変形。たとえばグラスターの王家御四家は、それぞれが対応するエレメントの精霊王との契約を結んでいる。家の血を引くものすべてが強力な魔導師となりうるほどの強力な加護をうける(が、代わりに他の属性の子がうまれなくなる)というもの。
・強い属性を帯びた物体との物理的接触…邪神の吐息を多く浴びると最終的には属性が変わってしまう(暗黒将軍サラディンは最終的には暗黒属性になってしまった)。天界の鉱物セレティア銀は強い聖属性を帯びているため、身につけていると聖属性が強くなっていく(もっとも一定以上聖属性があるものでなければ、その刺激に耐えられないのであるが)
最後のケースを除いては、生命体の属性が変わることは原則、生涯ない。
古代高等竜人族の遺物などには、属性を変えるものもあるが、きわめてまれである。
●属性を付与する方法(物体)
ルーンを刻んだり、呪文を唱えたり、対象の精霊や神に祈ったり、ときには特別な場所の霊気にアイテムをさらし、属性を刻み込む。
おもに、四大属性を付与するのは錬金術分野、聖属性を与えるのは神学の分野だが、エトランド戦役時代においてはその境界はまだあいまいな部分もある。
確立された儀式や方式はすでにあり、それを行うことによって長期、もしくは恒久的に物体に属性を付与することができる。
また戦場では、呪文やアイテムを用いることで一時的に武具に属性を帯びさせることもあるが、これは実のところ、ほとんどが対応のモノ(たとえば炎属性付与なら炎)でできた薄膜を武具にかぶせているにすぎない。
(た)
●大魔王
魔界における最高位の位階にして称号(※魔神は人間界におけるもの)。
魔王と大魔王とをわける明確な条件は明らかではない。一説には魔界元老院に属しているか否かともいわれる。
魔王位にあるものよりは魔力・武力で優れている傾向があるのは確か。
なお大魔王のなかにもさらに高位・中位・低位の別があるが、これは個人が親密な交流を持つ妨げとなるものでは基本的にはない。
大魔王ドノン、シェラスの暴挙により、人間界における大魔王のイメージはよくはない。
ただし彼らの起こした厄災において、大いに勇者を手助けし事態を収束へと導いたメールも大魔王であることから、悪いとも言い切れないのが現状である。
エトランド戦役時代にはすでに白昼堂々冗談ネタにされているほどのものであり、民間での恐怖感はもう大分薄れているようである。
●大魔神
人間界における称号。
魔神の中でも特に強く、人気の高いものがこう呼ばれる。
魔界での身分・位階などとは互いに全く関係ない。
また、彼らに匹敵するパワーをもつと言う意味の“称号”としても使われる(例、食欲大魔神ビック)。
●堕天
天使が罪を犯し、その結果“天帝”の加護を失うこと。
ほとんどのチカラの源が“天帝”である天使にとり、これはほとんど別の生き物になることにも等しい。
光輪を剥奪され、行使する力のベクトルも反転、光から闇に変わる。
そして多くの場合、翼もその瞬間一気に黒く変わる。
(実際には、この瞬間黒くなるわけではない。
堕天を宣告されるのは、私欲と快楽のために盗みや詐欺、殺傷等の罪を重ねた者がほとんど。
そのため、精神性の表れでもある翼も、そのころには黒く染まっていることがほとんど。
たいていの堕天使候補は、それでもそんな黒く染まった翼を白く光らせ、体裁をつくろう。が、罪の決定的な暴露=堕天宣告によりこの偽装がもはや不要になり、ごまかしを脱ぎ去って黒さが白日の下にさらされるというだけのことである)
この光景は天使の間では、天界でもっともおぞましいもののひとつとして、恐れられている。
不思議なことに、堕天したものがもともと持っていた「天(聖)属性」はそれでも消えずに残り続ける。
●堕天使
堕天した天使。
特徴(もしくは天使との違い)は、天使の翼を持ち、天使の輝かしさを容貌に宿しつつも、頭上に光輪がないこと。
属性は暗黒だが、もともとの「天(聖)属性」をも秘めて持ち続けているため、ハンパな神聖攻撃は打ち消してしまう。
翼の色はほとんどが黒だが、別項にて述べられている通りこれは精神性をあらわすものでもあるので、非常にまれに、白い翼をもつものもあらわれる。
堕天使の白い翼は罪を犯しつつも、心の気高さを失いきらなかった証であるが、それゆえに彼らは自ら贖罪のための死を求めてしまう。そのため、生きて活動している堕天使はほぼ必ずといっていいほど黒い翼のものとなる。
かれらはそのまま天界を出奔し、罪を犯し続けることが圧倒的。そのため、天使は堕天使を見ると、かれらを倒して天界に引き戻し、罪の償いをさせようとする。
そのためだけに地上に降りる天使もいるらしい。
なお、魔界には一見色違いの堕天使にみえる種族もいるらしいが、詳細は不明(紅天使アルメイダなど)。
●翼
生命体、もしくは物体をそのはたらきで飛翔させる器官もしくは部品。
なかでも“生命体から生じ、かつ精神体に近い物体(オーラなど)で構成されたもの”は、それをもつ者の属性力、ときには精神構造をも反映するという特性がある(『背中の白い翼は風の加護のあかし』)。
まず、風の精霊の背には白い翼がある。
強力な風の魔導師は、特に魔力を高めているとき背にオーラでできた白い翼をあらわすことがある。
天使族の翼の色はより“天使的”(=“天帝”のお気に召し、その加護を受けている)な者ほど白く強く輝き、逆であれば白き輝きの欠如から黒く染まってゆく。つまり加護の状況から間接的に、当人の精神構造をも反映してみせるのである。
●天使
“天帝”の指揮命令下にて各種関連業務を行う天界人の総称。いわゆる“天の御使い”。
トレードマークの光輪と翼を除けば人間に極めて似た容姿をもつが、その身体は精神に近いレベルの物体で構成されている。
そのため、人間には物理的に不可能な、背の翼による飛翔なども可能である。
また筋肉の断面積と膂力も正比例しないため、たおやかな見た目から予想されるよりずっと大きな筋力を発揮することもある。
彼らの出身は大きく二種類に分けられる。ひとつはもとから天界で生まれた生粋の天使、いまひとつは功績を“天帝”に認められ、本人も天使への転生を希望した天界外の住人(ほとんどが人間の死して後の転生。エルフなどが転生を選ぶことはまれ)。
天使の容姿は、程度の差はあれどみな例外なく美しい。死を経ている者は生前の姿をとどめているものの、やはりその美しさは明らかに生前を上回るものとなる。
しかしそれは精神性のあらわれ、ではないようである。悪事により堕天したものたちも容姿は変わらず美しいのがその証拠である。それはむしろ、背の翼にあらわれる。
彼らの中で特に位の高いものは天騎士(エンジェルナイト)と呼ばれる。
(な)
●西の大陸
エトランドの西にある大陸。
エトランド戦役終結のすこし後、この地の南部国家−グラスター王国間で正式な国交が開かれる。
それまでは個人レベルの交易や交流しかなく、文化などもほとんど知られていなかったため、未知の新天地といわれていた。
一説には魔法学よりは、剣術の進んだ地であるともいわれている。
●忍術
ジャポネス発祥のワザ。
自らの精神力を糧に、唱和や紋章、印のチカラを利用して自然にとけこむ、もしくは自然の力(五行のチカラとよばれる)をあやつり、様々な現象をおこす。
エトランドの精霊や神の介在を必要としない、「科学」に近いメカニズムのものもあるらしい。
一般的な認識では、主に敵を攻撃するための魔法という扱いである。
しかし、もともと背景にはジャポネスならではの思想があり、ある程度以上忍の道を修めるものは書物や先達等からこれを学ぶこととなる。
神秘的な説によれば、術や自然そのものが、そのときをむかえた術者にこの秘伝をささやくのだともいわれている。
(は)
●負のイメージ
この世界においても、他の世界同様、闇や暗黒にはとかくネガティブなイメージが付きまとう。
原因の一つはヒトのもつ、原始的な闇への恐怖感。いまひとつは大魔王ドノンがそれをことさら利用したため、そのイメージが強く定着してしまったこと。
なおドノンの出身である魔界に強く影響を与える“三日月の女神”も夜闇などを司るが、これとの関連は不明。
ほか、魔にも若干ネガティブな意味合いが感じ取られるようである。
『大魔王』『魔界』に共通する語であるところが原因と考えられる。
ただし、これらの用語のもつ不穏さは、民間ではいまや白昼堂々冗談ネタにできるほどのものに過ぎず、今後もどんどん薄れていくものと考えられる。
それどころか、これら負のイメージのチカラを行使する術者の一部(堕天使、魔神がおおい)に、非常にスタイリッシュな者も見受けられるため、一部では“カッコイイ”とややミーハーな憧れの対象にさえなっている。
●プラティス河
エトランド大陸三大大河のひとつ。
この流域はプラティス河地方とよばれ、ここにプラティス河文明が発達した。
●プラティス河地方
エトランド大陸の大河、プラティス河の流域をさす。
この地方には精霊と交流する能力を持つ者が多く、かれらから様々な知識を得られたためか、学問が非常な発達をとげた(この時代に生まれた学術用語の多くは、いまも基礎的なものとして使われている)。
逆にそのためか、ドノンの暗黒時代においておそらく最も深刻な被害があったのもここである。
もともとは温暖な地域であったここはドノン来襲のさい、一夜にして北の極となってしまった。
原因は、この地方のダラン山に魔界からのゲートをつないださい、ドノンがわざと起こした失敗で地軸が移動してしまったためである。
●プラティス河文明
エトランド大陸を流れる大河、プラティス河の流域を中心として興った文明。
大河の恵み、肥沃な土地と温暖な気候を背景に発展し、大いに栄えた。
学問が非常な発達をとげ、かつてこの文明が生みだした学術用語の多くは、いまも基礎的なものとして使われている。
ドノンの来襲(による気候変動)により滅亡寸前にまで追い込まれ、大きく姿を変えることにはなったが、その命脈はなおプレアディス帝国に引き継がれている。
(ま)
●魔王
魔界における高位の位階にして称号。
これを手にする条件は明確ではない。武力や魔力、ときには財力や文化的功績などで一定の社会的承認を得るのが条件とも、もっと単純に“魔王らしく城を持っていればOK”とさえ言われている。
●魔界
物質界のひとつ。人間界の裏に当たる部分に存在し、ゲートを開くことで誰でも行き来ができる。
人間界と非常に似ているため、滞在にも支障はない。
三日月の女神のチカラが人間界より強く働いている→事象の制限が緩く、想いの強さで事態が動くという特徴がある。
つまり、生物はより多様により強くより長く生きるように進化し(不老不死も珍しくない)、みたことのないさまざまな物体が日夜生成され、魔法は強力にはたらく。
感情的なあつれきにより魔法戦が展開され、そしてそれがおそろしい結果を招くことも多くある。
現にこれで複数回滅亡しかけたことさえある動乱の歴史を経て、魔界は『個人主義自由主義・原則(ウチ向きには)平和主義』の世界になった。
広域の・大きな問題が発生したとき、解決法を元老院にはかるのみで、大きな政治的単位は存在しない。
なお風俗も開放的で、当時のエトランドではめずらしいありかた(わかりやすいところでは、同性同士のカップルなど)も魔界ではわりと普通にある。
大地も人の心も広く自由だし、地味も豊かで暮らしやすい、というのが住人の意見である。
●魔界のイメージ
やはりドノンの影響か、魔界へのイメージは一般的によくはない。
どんよりと垂れ込めた雲、鳴り止まぬ雷鳴、荒涼とした大地には動くものとて見当たらず、かと思うとどこからともなく巨大な怪物の群れが…妖美な都には危険な文物があふれ退廃的な文化が爛熟し…などというイメージをもたれていることさえある。
ひとことでいえば『とにかく混沌』の世界と思われているのが一般的である。
(実際のところは、人間世界とそうはかわらないのであるが…)
メールら魔界人たちも、そのことは知っている。が、気にしているわけではなく冗談ネタにするほどのものでしかないようである。
●魔界元老院
魔界における最高意思決定機関。
とはいっても、世界的に個人主義自由主義の魔界でのこと、扱う事柄はかなり大規模な災害や、魔界全体の存亡に関わりそうな紛争の落とし所を探る程度。
組織規定などもゆるく、口の悪いものからは『百鬼夜行の社交クラブ』なぞとも評される。
ここには大魔王ドノン、メール、シェラスが所属していた。
が、ドノンは三勇者に葬られ、メールは後に自らの意志で脱退する。
●魔獣と獣
どちらも「獣的」な容姿をもっていることは同じである。
知能にも個体差があるため、一概にどちらが高いとは断言しづらい。
両者を分ける最大の特徴は『精神感応等を使い、身近な人間と言語的コミュニケーションをとるものを(…というか、とる個体が確認された種を)魔獣といい、そうでないものを獣という』というものであろう。
言語的コミュニケーションのレベルは概して高く、ビックとダンテなどは些細な原因に基づく口喧嘩までかましている。
●魔神
人間界における称号。
魔界人のなかで、強い武力を持ち、召喚契約に応じるものがこう呼ばれる。
魔界での身分・位階などとは互いに全く関係がない。
また一部の堕天使(特に魔界に居を置くものが多い)も同じ業務を行い、同じ称号で呼ばれることがある。
(や)
●闇
属性を差す用語としては、“暗黒”とほぼ同義だが、より短いため使用される。
暗黒より、若干負のイメージが強いようである。
→参照:暗黒、負のイメージ
●勇者
暗黒時代以降のエトランド大陸において、勇者という称号には特別な意味づけがある。
勇者といえば、アムラス・サイバー・ポトウィンの3勇者。彼らは建国の王でもある。
よってエトランド大陸において勇者を名乗ることは、ただ単に己の武勇を明示するのみならず、かれら建国王の功績や、知的、人格的特長をも同時に有していることを暗示してしまう、非常に重い行為となりうるのである。
それほどの大変な称号を当時一介の若者が名乗った理由は、立ちあげたばかりの王党派レジスタンスの景気付けのためもあるが、若者の正体を知る者たち(もっというならば勇者の後見人である大魔王メール・フォルン)の画策もある。
(なお、特にグラスター国においてはアムラス王の人気の高さから、彼の有した“聖剣の勇者”という称号は、比類なき最高の称号とされている。
そのため資質なき者がそれを有することは、敬愛する建国王の名を汚す行為に当たるため、民からの憎悪を招くことになる。
正規バッドエンドにおける民衆のすぎるほど激しい抗議行動は、これに起因するものと思われる)
●『勇者軍』
グラスター建国王の転生、『勇者』と名乗る若者を旗印にすえた武装組織。
“暗黒帝国”の侵略と支配に対して戦いを挑み、これを破った。
グラスターの王党派を中核とした国内レジスタンスとして旗揚げしたが、途上解放した各国で有志が加わっていったため、最終的には超国家的な武装集団となった。
なおグラスターの建国王同様、『勇者』はお飾りではなく、主戦力であり切り札でもあった。
この若者の行使する“光の勇者の力”が、進撃を支え、戦いの元凶らを葬ったのである。
一説にはこの者の、自然に振る舞いながらも人にも獣にもひろく愛される人間的魅力こそが、最大の武器であったともいわれている。
(ら)
●竜言語
古代高等竜人族、そしてその末裔である竜族の固有の言語。
といっても、これらは大きく二つに分かれる。
『古代(上位)竜言語』と『現代(下位)竜言語』。
そして後者はさらに「ドラゴン・ロアー」というものをも内包している。
・『古代(上位)竜言語』
古代高等竜人族が使用した言語。
『竜言語魔法』の呪文はこれで作られた。
魔法的に非常に強力な言語であり、呪文として使用する際の発動条件が低く威力が高かった(ただし竜仙境内でのこと。くわしくは竜言語魔法の項を参照)。
発音はやや複雑で、人間型の者が使用するのに向いた体系であるため、獣型でいるときでのコミュニケーション手段としては適さず、やがて『現代(下位)竜言語』を派生させる。
・『現代(下位)竜言語』
古代高等竜人族は必要に応じて獣型(現在のドラゴンやワイバーンの姿)に変化することが出来た。
この状態でいると、それぞれの形態に応じた強い肉体のチカラを行使できるが、人間形態向けである『古代(上位)竜言語』の発音はやりにくくなる。
つまり、獣型でいるときには会話がしづらかった。
そのため、『古代(上位)竜言語』をベースに、獣型でも確実に発音できる『現代(下位)竜言語』が発達していった。
いうなればこれは「会話用にローカライズされた竜言語」である。
なおこちらでも竜言語魔法を唱えることは不可能ではないが、発動条件が高くなり、威力は大幅に落ちるため、使うものはいないといってよい(人間界では有効に発動しないと見てほぼよい)。
・ドラゴン・ロアー
『現代(下位)竜言語』の発音はもともと、人型でも獣型でも容易に行え、また聞き取ることができるものだった。
しかし人間界への避難以降、もっぱら獣型の者たちが長期にわたり使い続けた結果、獣型により適応したものに徐々に変容している。
また、種ごとに異なる隠語や言い回しなども発達してきており、そうした「より特化した現代竜言語」はとくに「ドラゴン・ロアー」と呼ばれることもある。
●竜言語魔法
竜仙境にて成立した魔法とその体系。
古代(上位)竜言語で、一定のルールに従って韻文を作成し・唱えると唱え手の感情のチカラを糧に、表された内容を精神の内と外とに再生する。
発動条件の低さと威力の高さがアンバランスであった(平たく言うなら強力すぎた)ため、これを用いて争った古代高等竜人族たちは滅亡寸前にまでなってしまった。
これを人間界で行使することは不可能ではない。
竜仙境で古代高等竜人族が使うより、発動条件がはるかに高くなるが、威力は充分に高く、一部の魔法学者たちにより研究がなされている。
しかし実際これを有効に行使するにあたっては、もうひとつセーフティがもうけられている。
それぞれの呪文ごとに専用の媒体(スクロール)が必要であり、そしてそれらは「竜の巫女」により代々封じられ守られているのである。
彼女らが禁じられた魔法を現世に復活させることの正当性を認め、しかるべき手続きをふまなければ、スクロールが人間界に現れることはない。
●竜仙境
古代高等竜人族が生まれ育ち、滅亡した世界。
『竜言語魔法』によりはぐくまれ、滅ぼされた世界ともいえる。
創造主にして守護神である竜神の強力な加護、住民たち自身の高い知能、それらを背景に大きなパワーを発揮する『竜言語魔法』のチカラにより、世界全体で文明が高度に発達し、非常に栄えた。
しかし後に起きた戦乱においては、『竜言語魔法』の絶大な力が、種全体を絶滅の危機にまで追い込んでしまう。
なんとか生き延びた住民は、破滅をもたらす真のチカラを封じ、人間界に移住した。
そのため、いまやこの世界はほとんど空で、滅亡したといってもいい状態になっている。
ただし竜神は少数の竜神官とともに、その後も残り、守り続けている。
●竜族
ドラゴンやワイバーンをさす。
彼らはもともと、別の世界(竜仙境)から避難してきた住民たちの末裔である。
彼らは竜言語とよばれる独自の言語を持ち、これで会話も行う。
ただし普段使用されるのは、獣型での会話に特化適応し、発展した『現代(下位)竜言語』というものであり、『竜言語魔法』を構成する『古代(上位)竜言語』とはことなる。
なおふつうの竜族はゆえあって『竜言語魔法』を行使することが出来ない。
→ 竜言語、古代高等竜人族